2009年7月11日 (土)

中国政府によるウイグル民族浄化 1

 中国新疆ウイグル自治区こと東トルキスタンで進行中の騒乱。香港の人権団体によると、中国政府は首都ウルムチのほか、カシュガル、イリ、アクス、ホーテンなどの都市に、計3万人もの軍人と武装警察を送り込んだという。戦車も投入されているらしい(大紀元)。

 540pxxinjianj_uigur_3ウルムチ市内では昨日あたりから朝市も復活し、市民生活は一見「正常な」状態に戻りつつあるようだが、それが偽りのものであることはまちがいない。東トルキスタンでは現在インターネット、携帯電話、固定電話とも遮断されているほか、中国国内のほかの地域でもTwitter、YouTube、Googleなどへのアクセスはきわめて困難な状況という。外部との情報がほぼ完全に遮断されており、まさに陸の孤島と化しているわけだ。海外のメディアが現地入りしているとはいえ、取材中の邦人記者がオランダ人、スペイン人記者とともに一時身柄を拘束されるなど(共同)、取材活動も厳しく制限されている。

 そんな見せかけの「平常」の水面下で、当局はウイグル人に対する締め付けをいっそう強化し、強引な取り締まりを続けているようだ。あるウイグル人男性は日本の記者に語っている。

「銃を構えた治安部隊が家に押し入り、容疑者かどうかにかかわらず、若い男がいれば片っ端から拘束して取り調べている」(朝日

 また日本ウイグル協会代表のイリハム・マハムティ氏によると、ウルムチ以外の都市にも今回の事件は飛び火している。一方で「平常」が演出されたウルムチ以外の都市からの情報はほぼ皆無。カシュガルでは取材を完全規制し、記者をホテルから連行した(産経)。当局はそれらの都市にも鎮圧部隊を進駐させていることから、中国当局や逆上した漢人による大規模なウイグル人狩りが行われている可能性も指摘できる。

 中国政府は今回の事件で156名の死者が出たと公表しているが、世界ウイグル会議のラビア・カーディル議長は現地からの情報として、ウイグル人犠牲者は1000人から最大で3000人とみているという(産経)。さらに中国政府は人権派弁護士への圧力もかけはじめているようだ(産経)。

 こうした中国政府のウイグル人に対する無差別虐殺行為・民族浄化政策に抗議するためのデモが、グレゴリオ暦7月12日(日)東京・渋谷で行われる。詳細はこちらを参照されたし。ウイグル人も多く居住するトルコでは数千人規模のデモが昨日、行われたそうだ。

 昨年のチベット騒乱のときには、僕の周辺にも「FREE TIBET」を叫ぶ者が大勢いたが、今回のウイグル人弾圧事件に関して彼らはなぜか沈黙を守っている。チベットと比べてウイグルは日本ではあまり馴染みがないからだろうか。それとも、もうあれで満足してしまったのだろうか。いずれにせよ、それでは偽善といわれても仕方あるまい。

 実をいうと、かくいう僕も、イスラム系の民族ということぐらいしか、東トルキスタンやウイグル人について知っていることなどまるでなかった。彼らが中国共産党から絶滅させられつつあるという話だけは聞いたことがあったが。そんな無知に対する自戒も込めて、ウイグル人弾圧事件については今後もこのコラムでウォッチしていこうと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«ご迷惑をおかけしております。