2012年1月23日 (月)

あけましておめでとうございます!

旧1/1(G1/23)

あけましておめでとうございます。

 本日、グレゴリオ暦1月23日は旧暦1月1日にあたり、 月の暦による新年の幕開けです(いわゆる旧正月)。 旧暦が最初につくられた中国では旧正月は春節と呼ばれ、 数十万人が大陸を移動して里帰りするニュースを ご覧になった方も多いと思います。 皆さんは、どこで新年最初の新月をお過ごしでしょうか。

  昨年は私たちの国を大きな悲劇が襲いました。 とりわけ放射能災害はいまだ収束のめどが立っておらず、 大量消費型社会という 人間のエゴで成り立っていた直線的なシステムの限界が 最悪の形であらわれた恰好となってしまいました。

 この星に住むあらゆる生命にとって地球は限られた環境であり、 無尽蔵の消費が やがてみずからの首を絞める結果を招くことは当然の帰結です。 すべてが有機的につながって循環するサイクルの中から いつのまにか抜け落ちてしまった私たち人間。 それでも私たちは この星に寄り添うことでしか生きていくことができません。

 だからこそ 旧暦や旧暦的な価値観を見直すことがとても大切な意味をもつと88dは考えます。 月の満ち欠けにもとづいた旧暦は、 こよみそのものが自然のサイクルとして循環することで 日々の暮らしを地球のいとなみとシンクロさせ、 自分たちもまた大きなサイクルの中に連なっていることを 再認識させてくれます。

 日本において旧暦は“かつて”使われていたものですが、 実際には“いま”こそ使うべきカレンダーです。 そして“未来”においても使われるべきカレンダーなのです。

 『tsukinokoyomi』や『バースデームーン』をとおして 皆さんとともに未来を紡いでいけることに感謝します。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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■「アースガーデン冬」出店のお知らせ

グレゴリオ暦1月28日・29日に東京は代々木公園ケヤキ並木にて開催されるエコイベント「アースガーデン冬」に出店します。旧暦手帳『tsukinokoyomi 12』と書籍『バースデームーン』を販売。旧暦にご興味のある方はぜひ私たちのブースへお越しください。すでにお持ちの方、旧暦やバースデームーンに関する質問などにもお答えできますので、よろしければ遊びに来てください!

●日時/1/28(旧暦1/6)土11:00~16:00
      1/29(旧暦1/7)日10:00~16:00
●入場無料
●会場/代々木公園ケヤキ並木(東京都)
●詳細/アースガーデン
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今後のワークショップ「バースデームーン」は3月に開催を予定しております。

 

 

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2011年12月26日 (月)

師走は歳神さんの果つるとき

旧12/2(G12/26)

 新月を過ぎ、今年もいよいよ師走入り。なんだかんだで精神的にも身体的にも走って(走らされちゃって?)いるひとは多いと思う。もっとも僕などは走っている=心拍数が上がっている状態のほうが生きている実感がして気持ちよかったりするので、少なくとも身体的には年中走っていたいと思ってしまうのだが。

 一般に「師走=シ・ハス」は、師匠といえどもあくせく走らざるを得ないほど忙しい月との意から「師馳す」と呼ばれるようになったと考えられている。なるほど納得のいく説ではあるが、どことなく近世以降の社会システムにあわせた後付け感がプンプンする。

 そこで調べてみたところ、『大言海』では「歳極(トシハツ)」、あるいは「万事、為果(シハ)つ」=最後まで遂げるの意味≒農事を終えるの略ではないかとしているようだ。例の岡田芳朗センセイ編著『こよみ読み解き事典』では、ほかに「語源不詳。師走は当て字」説を紹介し、これが一番納得がいくと記している。といわれてもセンセ、そんなんじゃぜんぜん納得いきませんですが。

 そもそも日本では正月は新月とともに歳神が訪れることによってはじまるとされていることを考えると、12月は前年の歳神の効力が果てるときといえる。

 というわけで僕的には「歳極(トシハツ)」、「歳果つ」説をとりたい。三省堂の古語辞典によると12月は「極月(ゴクゲツ)」ともいうらしいし。

 

 

本日の推奨BGM::When The Music's Over  by The Doors from the album "Strange Days"

 

 

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2011年12月23日 (金)

一条の 光ともすや 冬至過ぎ

旧11/29(G12/23)

 昨日、二十四節気のひとつである「冬至」を迎え、北半球の太陽はエネルギーのベクトルを「死」から「生」の方向へと転換した。太陽は地球上の全生 命にとってかけがえのない存在だが、夏至を境に日脚は徐々に短くなり、そのエネルギー量は日々衰微していく。天空に占める位置もどんどん低くなっていく が、冬至を過ぎると今度は逆に天空高度を毎日少しずつ増していき日脚も長くなる。エネルギーが高まっていくわけだ。

 このことから人類は文明のはるか以前から冬至をとても重要視し、生命活動において最も神聖なものととらえてきた。それゆえ冬至の到来は大変喜ばし いことで、祭祀も世界各地で行われた。日本のゆず湯につかる伝統はおそらく当時の祭祀の名残だろう。ゆずとは太陽の見立て。再生した太陽エネルギーをとりこむことで無病息災を得る呪術だったと思われる。

 ちなみに冬至祭りを行うひとびとを支配する目的でキリスト教帝国主義がその意味合いを都合よく上書き改悪したのが現代のクリスマスである。さらに毎年グレゴリオ暦11月23日に行われている日本の皇室行事である「新嘗祭」も本来は冬至祭りだった(G11/23という日付のデタラメさを含めて以前にも触れたとおり)。

 さて、日当たりのよい場所に1本の棒を立て、1年間観測したとしよう。すると太陽の高さに合わせて棒が地面に落とす陰の長さは日々変化していき、 夏至のとき最も短く、冬至のとき最も長く伸びることは容易に理解できる。あるいはやはり1年間毎朝、日の出位置を観測すると、冬至には最も右寄り(南寄り)から太陽が昇ることがわかる。

 とりわけ現在いうところの“旧暦”が開発された古代中国においては、こうした太陽の回帰点である冬至が、「こよみ」をつくる上での起点として非常に重宝された。夏至ではなく冬至が起点なのは、太陽のエネルギーが死の方向へと衰微していく回帰点にあたる夏至に対して、冬至が生を増殖していく回帰点であるからだろう。

 彼らが生み出した陰陽五行哲学にもとづいた「易」では年間の太Photo_2陽の動きを「気の消長」ととらえ、その推移を十二支(子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥)の流れに割りあてている。 これによると冬至は「子(ね・シ)」にあたり、一段階前の「亥(い・ガイ)」で陰(- -)が極まったのちに陽(―)が生まれ出る起点となる(右図)。これがいわゆる「一陽来復」というやつで、この熟語はまさしく冬至を示していたことがわかる。

 古代中国では冬至を含む月を1月としていた時代もあったようだが、原則として旧暦では冬至を含む月を11月とするよう定められている。そして旧暦で毎月「ついたち」といえば「朔(さく)」、すなわち新月にあたる日。19年に1度、旧暦11月1日朔と冬至の日がちょうど重なるときがある。これを「朔旦冬至(さくたんとうじ)」といい、古代中国やその文化的影響を濃厚に受けたかつての日本で盛大に祝われた。いわば月と太陽と地球の運行による太陽系スケールの巨大な時計の長針・短針・秒針が重なる朔旦冬至。前回は1995年、次回は2014年になる。

 また完全ではないものの、冬至と日本の今上天皇の誕生日がほぼ重なる事実は興味深いシンクロだ。現在の冬至の定義は太陽が黄経270度の位置となる瞬間を含む日。グレゴリオ暦では毎年おおむね12月22日前後になる。天皇の最重要任務は現代においてもなおシャーマニズムにもとづいた呪術・儀式のつつがない催行であり、その意味で天皇明仁は先進国と呼ばれる国々の中で唯一の(そしてほかに類を見ない)公式なシャーマンキングとなる。出生からして呪術 的とは、まるで古事記や日本書紀を思わせる。

 そんな明仁天皇は本日、78歳の誕生日を迎え「厳しい現実を認識し、将来に備えていかなければならない」と語ったが、未曽有の被害に見舞われた今年の冬至ほど意味深いものはないだろう。冬至の瞬間(昨日14:30)から1日がたち、こよみの上でも再生ははじまっている。しかしグレゴリオ暦的守銭奴社会が完全崩壊したいま、僕らが向かうべきは旧暦的な、地球と共生する価値観に根差した再生でなくてはならない。そう考えると明仁のコメントも単に防災のみならず、シャーマニズム的なより深い意味を含めて言及したように聞こえてくる。

 2014年、朔旦冬至を迎えて太陽系時計の針がリセットされるとき、その先にある未来もリセットされているだろうか。正直いって、現代の世界を待 ち受けている未来は、いまのままではどんなに好意的に見積もっても真っ暗だ。「一陽来復」が示すとおり、一条の光が地上を照らすよう調律していくのは、現代に生きる僕らの責任。このことは、しっかり肝に銘じておきたい。

 

 

本日の推奨BGM::Umbilical Moonrise  by Lotus from the album "Germination"

 

 

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2011年12月12日 (月)

月のキャンバスに投影された地球を見る

旧11/18(G12/12)

 日本全国で多くのひとが楽しんだ先日の皆既月食。一応のメインイベントとなる皆既自体は22時ごろから1時間弱続いたわけだが、月が地球の陰から完全に抜け出す25時過ぎまで僕は見ていて、注目すべきははむしろ欠けはじめと欠け終わりのほうだということに気づいた。

 この間、僕らは実は地球自体の姿を肉眼ではっきりと見ているのである。

 日食が、ふだん見えないはずの新月がその姿をあらわすときであるということは、このブログにも何度か書いた。対して月食は、僕らがけっして見ることのできない地球の姿を地上にいながら客観的に観測できるときだということだ。

 というのも、月食で月が欠けていくメカニズムは太陽に照らされてできた地球の陰の中に月が入っていくからにほかならいが、月食の欠けた部分というのは実際には月面上に投影された地球のシルエットそのものだからである。

 あの晩、顔を真上に向けて月食を眺めながら実感したのは、いままさに月と自分と地球の中心を結んだ直線上のはるか後方で太陽が輝いており、その光に照らされて宇宙空間に投影された地球の姿を月がキャンバスのごとく受け止めて描き出しているという事実だった。皆既の間中は完全に陰の内側に月が入ってしまっているため、これを実感するのは難しいが、欠けはじめと欠け終わりにはシルエットの輪郭の一部をしっかりと確認できる。

 なんというリアリティ、なんという立体感。そして地球は真実、この宇宙に浮かんでいるのだという再認識。さらに月がだんだん元の形を取り戻していく過程は月の公転そのものでもある(同時に地球も公転しているが、公転速度は相対的に月のほうが速いので)。

 これらを僕らはリアルタイムで目撃していたのだ。月食も日食も「欠ける」という表現を使うために、その主体は月食ならば月、日食ならば太陽というふうにとらえがちだが、実際の宇宙のいとなみをリアルに想像してみると、こんなふうに反転した現実が浮かび上がってくる。

 あらゆるものごとは、僕らが当たり前のように思っていた認識を反転したところにのみ、真実の像を結ぶ。そんな宇宙の理でも発見したような気にさせる皆既月食の夜であった。

 

 

本日の推奨BGM::Días De lyawo  by Omar Sosa from the album "Aleatoric EFX"

 

 

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2011年12月10日 (土)

南中皆既月食で太陽-地球-日本-月が一直線の軸となる

旧11/16(G12/10)

 本日の皆既月食は月の南中時刻ともおおむねぴったり重なったために、ほぼ天頂での天体ショー開催となった。東京~神奈川あたりは空もよく晴れ、観測には絶好のシチュエーション。ほかのエリアのみなさんも楽しめただろううか?

 そもそも満月というのは太陽-地球-月が一直線上に並ぶときであるが、皆既月食というのはそれらが並ぶ直線の精度がさらに上がり、3天体の中心がより完全に近い直線として並ぶ現象(真の意味での“完全”ではないが、太陽系の巨大なスケール比においては“完全”といって差し支えないだろう)。くわえて南中時刻と皆既月食時刻が重なるということは、この中心を結ぶ線上に日本も配置されていることを意味する。

 なんだか背筋がぴしっと引き締まる。

 さらに皆既日食が新月という見えないはずの月がその存在を誇示するときであるのに対し、皆既月食は満月といういやが応でも視界に入る球体がその存在証明たる光を失うとき。二律背反するふたつの極がオモテとウラを絶えず入れ替えながらこの世界は成立しているという、対極図のYIN-YANを思い出す。

 だが天がそうした宇宙的真実をまさに語っているというのに、僕らの住む地上世界は悲しいかな、圧倒的にバランスを欠いてしまっており、YIN-YANは崩壊してしまっている。最近の国内の事例だけ見ても、基地を沖縄に押し付け、被災がれきや放射性廃棄物を被災地に押し付け、受け入れを表明した自治体を脅迫する者まであらわれる始末だ。家族を守るためだって? だったら、なぜ切り捨てる? 僕らはみんな家族なのではないのか?

 「最大多数の最大幸福」というきれいごとを伝家の宝刀のごとく振り回すベンサムの功利主義的思考が実際には少数派を切り捨てるだけのファシズムに過ぎないことに注意を払わなければならない。その論理でナチスはユダヤを迫害し、アメリカは日本に原爆を落としたのだから。

 それだけに未曽有の大震災があり、原発を爆発させた日本に、今日のような南中皆既月食を見られる機会が与えられた事実は意味深い。いまこの瞬間、失われたバランスを取り戻すための軸をもう一度つなぎ直すキッカケを、月がつくってくれているのではないかと僕には思えてならないのだ。

 

 

本日の推奨BGM::Moonlight MIle  by The Rolling Stones from the album "Sticky Fingers"

 

 

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