THIS IS IT 腫れ物の孤独
マイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」のDVDが発売されたようだ。ぜんぜん欲しくないけれど、映画のほうは実は劇場で観た。東京・立川にあるその劇場では「THIS IS IT」用に音響のセッティングを変更していたらしく、オトは確かに悪くなかった。なかなかな計らいである。
マイケルの「THRILLER」が大ヒットしたのは僕がちょうど十代中頃だったとき。僕自身は当時PUNKSになりたてで、この手の商用ポップスをARTかぶれの批評家よろしくケーベツするというスタンスが心地よかったりしたものだが、部活の帰りに友達とこっそりムーンウォークの練習をしていたのはいうまでもない。断言するが、その時代の日本男子はひとり残らず全員ムーンウォークができた。他人が見て、それをムーンウォークと認識してくれるかどうかは別として。それほどまでに最早誰も抗えないほど、マイケルはイカしてたわけです。
そんな彼のカッチョいいお姿を満喫できるのが、この「THIS IS IT」なのだが、映画を観終わったあと、当のマイケル以上に深い印象を残すのが彼をとりまくダンサー、ミュージシャン、スタッフたちの態度である。それこそひとり残らずみんな腫れ物を扱うようにマイケルに接しており、スクリーンに映し出されるツアーのリハーサル風景は、マイケル坊やがスネてしまわぬよう、みんな必死の大ヨイショ大会。これがなんとも痛々しい。まあ、ツアーに参加したすべてのひとにとって、マイケルは人生最大のチャンスをもたらしてくれる存在であり、同時に利権でもあるのだから、それも仕方あるまい。
「THIS IS IT」はマイケルの最後の雄姿を映す以上に、彼の究極の孤独ぶりを浮き彫りにした映画といえるだろう。
PS。最後まで鼻はとれませんでした。残念。
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